企業別研究開発費用※国際比較
国際的な競争力を持っているGAFA企業は売上高に占める研究開発費が10%を超えています。
ソニーでさえ6%、トヨタ自動車、日立製作所ですら3%に過ぎません。
2023年の手元の情報を元に売上高研究開発費率を計算すると任天堂は約9%でした。
研究開発費用の差
研究開発にかける費用の差は優先順位の差であり、考え方の差ではないかと考えています。
日本は商品を売っていて、欧米では解決策(ソリューション)を売っている、
日本と欧米では売っているモノが違うのかもしれませんね。
誰もがニーズ(欲求や痛みや困り事)を解決するために商品(サービス)を買いますが、その商品でどのようなニーズを満たしたいのか?どのようなニーズが満たされるかについて、無頓着なことが多いのではないかと思います。
「買いたい」を分解してみると
「アイスクリームを食べたい」と思っている子供がいるとします。
この子供は胃袋にアイスクリームが入れば満足でしょうか?
甘いアイスクリームの味で幸せな感情を味わいたいのかもしれません。
自分の欲求を満たしてくれた親の行動に愛情を感じたいのかもしれません。
どのアイスクリームを買おうかと選ぶことが楽しいのかもしれません。
冷たいアイスクリームで暑さを和らげたいのかもしれません。
まだまだ他にも沢山の欲求や感情があるでしょう。
何を解決したいのか
「買いたい」を分解することでニーズをより先鋭化し付加価値を高めることができます。
iPhoneやMacの化粧箱が精巧に作られていることからもワクワク感や高級感を大切にしていることが分かります。
「機能」だけを求めている人もいるでしょうけれども、機能の他にも価値があることにいち早く気付いて立派な化粧箱を用意したApple社は先見の明があると思います。
日本企業ならばあれほど立派な化粧箱を用意するという決断が出来たしょうか。
自分が責任者だったとしたらOKを出せたかどうか自信がありません。
挑戦ができる企業風土へ
ある大手電機メーカーに勤めている友人が「どれほど考えて先進的なデザインや機能を開発設計しても役員会議で既存製品と似たりよったりものしか通らない」と嘆いていました。
営利企業なので収益性は大事ですが未来の予測が難しい時代に突入していることを考えると、自社なりの指標を持って挑戦ができる企業風土への転換が必要じゃないかと強く思いました。
DX=挑戦できる企業風土への変革
DXはデジタルツールを導入するのが目的ではありません。
挑戦できる企業風土への変革も目的の一つです。
闇雲に挑戦し続けることは出来ませんが、挑戦するしないの基準となる指標、継続するしないの基準となる指標を作り、数字に基づいた科学的な意思決定を組み込み、少ない資源でできるだけ多くの挑戦ができる仕組みを作り上げることが大切だと思います。
研究開発費の目安
「全固体電池」や「ペロブスカイト型太陽電池」など、他社との共同開発とはいえ、画期的な研究開発をしているトヨタ自動車でさえ売上高研究開発費率は3%ですから、この数字を参考に自社の基準値を作ってみてはどうでしょうか。