「システム開発を生業にしない」と決断した理由

受託開発

私はこれまで、受託開発を手がけてきました。受託開発とは、お客様のニーズに応じて独自のITシステムを設計し納品する仕事です。多様な業界のお客様と協力し、彼らの叱咤激励を受けながら、私はこの道を歩んできました。

このままで良いの?

人生100年時代と言われ始めて、気が付くと50歳をゆうに過ぎてしまっています。
自分が生き延びること身の回りの人を幸せにすることに夢中になっているうちに人生の折り返し地点を超えてしまっていました。

私を鍛え育ててくれたIT業界に例え僅かでも貢献出来ないか?と考え始めるようになり今までとは違う感情が湧き上がって来ました。

日本の状況

昨年、ITベンチャー企業を辞任し、再び個人事業に専念しました。その際、現代の社会状況を理解するために、様々なニュースや政府の統計を調査しました。特に、「なぜ日本の賃金が30年も変わらないのか」や「円の価値が下がる理由」について、深く考えました。

さまざまな意見や考え方がありましたが、私が最も納得したのは次の二点です。「日本の商品やサービスの国際的な競争力が落ちたこと」と「円で購入できる商品の魅力が低下したこと」です。

存在意義

これまでの受託開発を続けても社会に役立つのか疑問に思い始めました。
「2025年の崖」レガシーITシステムが足枷となってビジネス変革に費やすIT予算を圧迫してしまう、
「2030年問題」少子高齢化による労働力不足、人件費高騰などさまざまな社会問題が迫っています。
これらの問題を前に、どう社会に貢献できるかを真剣に考えました。

ブラックボックス化とは、システムの内部構造が分からなくなることです。これが企業の変革を妨げる恐れがあると感じ、オリジナルシステム開発の続行に疑問を抱きました。優れた同業者も多いため、私が続ける必要性を感じなくなりました。

社会課題と向き合う

2030年にはIT人材の不足がさらに進むとされています。このため、IT業界の需要は当面高まるでしょう。しかし、長い間IT業界で働いてきた私は、ただ生き延びるだけではなく、次の時代を支える重要な役割を担いたいと考えています。

長年積み重ねたシステム開発のスキルを一旦脇に置き、新たな挑戦を始めることにしました。顧客はシステム開発をITベンダーに依頼することで、簡単に理想のシステムを手に入れられます。しかし、そのシステムがどのように機能するかを理解せずに使用することは、将来的に問題を引き起こす可能性があります。

現在のシステムは使えるものの、内容が理解されていないため、IT投資の大部分が保守に消費されます。これは、社会の変化に即応できなくする原因です。VUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性の頭文字を取った言葉)の時代に、既存のシステムが将来も機能する保証はありません。仕様の変更や機能の拡張が頻繁に必要になり、これがコストの上昇につながることでしょう。

ミッション

私のミッションは、社会環境の変化に素早く対応するための変革を推進することです。具体的には、以下の点を支援します。

システムを所有するのではなく、必要に応じて借りる方式にシフトします。
システムの機能や操作性に制約があることを理解し、最もコスト効率の良い方法で業務を行えるようスタッフを育成します。
データを基にした経営判断を可能にする体制を築きます。
人工知能(AI)を積極的に活用する方策を促進します。